ホワイトニングの戦略・大成功
現代医学が四苦八苦して取り組みながらも、なかなか治療効果のあらわれない慢性関節リウマチ、不妊、不眠などが、何回かの刺絡療法で改善し、治ってしまうケースが多々出てきたためである。
私はただ、副交感神経を刺激するポイントと言われる両手・両足の薬指を除く指の爪の脇を刺激しているにすぎない。
一人につき、三十分もかからない。
そんなことで、現代医学で難しい薬を長年投与されてもこれといって効果の出なかった患者さんが、目の前で「体が軽くなった」と喜んで帰っていくのである。
この現実を目の当たりにすることにより、「 HLA 理論」を実際の治療に応用するために、刺絡療法は大変有効な方法であるとより深く確信するようになった。
同時に、「 HLA 理論」を実践する刺絡療法が、その場限りの「気持ちよさ」をもたらすものではないことを証明するため、刺絡療法を行うに際し、必ず患者さんから採血して白血球のデータをチェックするようにした。
これによって、治療の成果、影響は一目瞭然である。
一般的に健康人の白血球の数は一立方ミリメートルに約四○○○,九○○○個でその中の穎粒球とリンパ球の割合は穎粒球が約四十から六十%でリンパ球が約三十、四リンパ球の割合は成人では年齢を重ねるほど減っていく。
割合だけでなく、その実数が大事で、リンパ球の数が実数で約二○○○個を下回ると免疫力が低下する。
多ければ良いわけでもなく、実数で約二六○○個を超えると静脈のうっ血を起こしやすくなり、アレルギー疾患も起こしやすいようである。
とくにガン患者さんの場合は、リンパ球の実数の変化を追うと、ガンの進行具合が推察できると思われる。
このような理由から、白血球のデータのなかでも、とくにリンパ球の数と割合は患者さんの病状の把握に欠かせないものなのである。
刺絡療法によりその割合、実数ともに変化し、正常値に近くなれば、身体が健康になったと言えるわけだ。
あるとき、不眠に悩む中年女性が私のもとを訪れた。
睡眠薬を飲めば眠ることはできるのだが、起きたあともだるさがとれず、頭から一眉にかけてまるで何かをしよっているように重くてたまらないという。
採血をすると、リンパ球が三十%を切っており交感神経の緊張が見てとれた。
本人の顔色もくすみ、なんとなく表情がハッキリしない印象を受ける。
そこで、刺絡療法を行うと……頬に赤みが差し目に力が戻ってくるのだ。
それも鋪を刺してすぐの反応である。
そして、「先生、体から重石が取れたみたい。
えらくスッキリして、視界まで明るくなりました」と、喜んだ。
治療後、採血したデータではリンパ球は三十二%まで上昇していた。
刺絡療法の効果は、患者さんの症状の改善を見ると同時に、白血球のデータの改善、血液の性状を見ることによって客観的に判断できる。
私は治療をすればするほど、この両面から、「免疫を上げれば病は必ず改善する」ことを実感できるようになっていった。
それはまた、この治療に対する自信にもつながっていくのだった。
また、刺絡療法の治療効果は針を刺した際の出血の仕方も判断材料となった。
鋪を刺すことにより微量の出血があるが、ガンなどの重篤な病気がなく健康な場合、赤くサラサラしている。
しかし、何らかの病気をかかえている場合はたいてい、交感神経優位による血流障害のため針を刺しても出血しにくく、出血してもその血液は粘調でドス黒いことが多い。
治療により白血球のバランスが改善すると血液の性状も健康人と同じように赤くサラサラになってくるのだ。
どこぞのテレビ番組で、「サラサラ血液」だの「ドロドロ血液」だの流しているのをみると、血液の状態というのは安直なものに思われてしまうかもしれない。
私もかってはそうだった。
ところが実際に医療の現場にたって、毎日のように患者さんの血液に向かい合っていると、健康な人とそうでない人の血液の違いは際立っている。
このようにして、私は「理論←実践」「実践←理論」の両面から、病気と自律神経、そして白血球のバランスに向き合っていくことになる。
なにより、この治療は目の前で患者さんがよくなる様子が手にとるようにわかるのがうれしかった。
ずっと痛みやだるさに耐えていた人が、「こんなに体が軽くなったのは初めてです!」と驚きの表情を浮かべることは、これまでの治療ではありえなかったことだ。
しかし、この治療ではそれが日常になるのである。
「私は長いこと病院にかかっていましたが、これほど体を丁寧に診てもらったのははじめてです」といってうれし涙を浮かべたリウマチのおばあさんもいた。
このころは、 A 先生との共同研究から編み出された「HLA 理論」による免疫のしくみが、ものの見事に「病気が発症するしくみ」と「治癒するしくみ」に合致し、治療が楽しくてしかたなかった。
治らない、治せないという長い苦しみの悪循環から、ついに抜け出せたのだ。
私は我を忘れて、治療に没頭するようになる。
前でも触れたが、自律神経と白血球のバランスには、交感神経優位←穎粒球優位副交感神経優位←リンパ球優位毎日、このような声に接していると自分だってうれしい。
「ああ医者になってよかった」としみじみ思うようになった。
三十年以上外科医として働きながら、それまでの医療では感じたことのない、温かい感情であった。
◎交感神経優位がもたらす病気交感神経優位な状態はストレスや緊張で引き起こされる。
この状態では穎粒球が増え、リンパ球が減った状態になる。
穎粒球は活性酸素を放出し潰蕩性疾患やガンのリスクを高める。
また、活性酸素により動脈硬化を促進され、ここで生じた動脈硬化によって血管の内腔が狭くなりこれは血流障害(虚血)を起こす。
アドレナリンの分泌量が増え、それにより血管が収縮し、血流障害(虚血)が起きやすくなる。
またアドレナリンは血圧上昇も引き起こし、動脈硬化が促進され、血流障害(虚血)が起きやすくなる。
血流障害は冷え性、一眉こり、腰痛、心筋梗塞、脳梗という関係が成り立っている。
ストレスなどによって、交感神経が優位になった状態が病気につながることが多い。
刺絡療法によって交感・副交感神経のバランスをとってやれば前述のように白血球のバランスも改善する。
では、白血球のバランスがくずれてしまうと、どのような病気が起こるのだろうか。
塞につながる。
さらに、交感神経が優位な状態は腸の運動を抑制し、便秘を引き起こす。
こうした状態が恒常化すると、知覚の低下も起こりやすい。
◎副交感神経優位がもたらす病気副交感神経が優位になっているのは、人がリラックスした時の状態である。
よって、このような状態がもたらす病気は少なく、症状も軽いことが多い。
しかし一方では、血管が拡張した状態のため、静脈で血液が停滞するのぼせなどのうっ血が起こりやすい。
うっ血によって老廃物を排池しにくくなり、外部からのアレルゲン(ダニ、花粉)が体内に溜まり、アレルギー疾患を引き起こしやすい。
さらに、副交感神経優位で起こる悪性新生物(癌)も多くある。
交感神経・副交感神経双方ともに、どちらが過剰であっても体は健康にはなれない。
両者のバランスをとることこそが、病気を治す唯一の道というわけである。
刺絡療法を希望する患者さんはどんどん増えていった。
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